産業保健師のあれこれ

最近はじめました。よろしくお願いします

人の会話を盗む人の心理と対処法

あなたの周りに話を聞いてくれない人はいませんか?

例えば、あなたの上司に自分のことを伝えたくて相談をしたのですが「俺もさ〜…」と急に上司の話を聞くハメになり、あなた自身の話したいことが話せず、上司がすっきりしただけで終わる。という事ないですか?自分の事を話せたとしても「俺(私)のほうが〇〇」とマウントを取られて、モヤっとする経験ないですか?

通称「会話泥棒さん」は相談役として適していないのですが、上司にいると厄介な相手としてあなたが疲れてしまうでしょう。会話泥棒さんはどのような心理なのか、どう対応すれば良いのかをご紹介します。

なお、ここでの会話泥棒とは「あなたの会話を遮り、自分の身の上話をして、あなたが伝えたい事を伝えられない人」の事を指します。単におしゃべりな人や会話の主導権をとっている人ではなく、話たいと思って相談したのに、あなたの相談内容を否定されたり過小化されてしまい、さらに話を聞く側にまわってしまう事象の事をいいます。

 

 

①承認欲求が高すぎる

会話泥棒さんはとにかく自分の事を認められてほしいです。「すごいでしょう」「頑張ったよ」と口には出さないけれど、常にこの気持ちがあります。どんどん会話を進めてしまうと、あなたは「そうですね」と言わざるを得ません。

会話泥棒さんは自分に厳しいタイプと自分で思っていて、自分で自分を認められないので、他人からの賞賛を求めてしまいます。むしろ賞賛しか求めてないので、少しからかったりすると「この人は認めてくれない人」と思い、認めてもらいたくて余計に自分の話をしたり下手したら攻撃されてしまいます。そのため、まずは会話泥棒さんの承認欲求をなるべく傷つけないように注意しましょう。

 

②共感性が低い

会話泥棒さんは人の気持ちを汲み取るのが苦手です。女性よりも男性のほうが共感性は低いとされており。それでも会話泥棒さんは自分の経験の範疇内で理解しようとしますが、本当の意味で理解して共感することは難しいようです。

「俺も気持ちわかるよ。俺もあの頃は…」と自分の話をし始めるのは、あなたの話に共感しているアピールをしているのです。しかしただのアピールなので、共感しているわけではありません。また経験の範疇外の話を理解しようと努めるのですが、結局は理解だけで終わってしまうことが殆どです。そのため、より共感してもらいたいときは「あのね、私悲しかったの。」とあなたの気持ちから話始めると、何が悲しかったのか想像しながら聞いてくれるため、会話泥棒されにくくなります。

 

③気持ちに余裕がない

会話泥棒さんは、人のために行動するのはやぶさかではなく、意外にもおせっかいタイプが多いです。しかし気持ちに余裕がない状況が続いていると、他人の話は殆ど頭に入らなくなります。特に仕事が繁忙だったり、ストレスフルな状態だと顕著に表れて、余裕がない時に相談事をもってきても、「人の話なんて聞いてられない。むしろ俺(

私)の話を聞いてくれ〜。」となるのです。

会話泥棒さんが上司だった場合、部下の話を聞くのが仕事だとしても、残念ながら会話泥棒さんの脳内は、部下は自分よりも下の立場であり、下なら優先度も下になってしまうのです。そのため、あなたの話は優先度を高いことを伝えたり、あなたが上司の会話泥棒さんの手伝いをすれば、少しは余裕が生まれて話も聞いてくれるかもしれません。

 

③優劣で人を判断する

人間は少なからず優劣で判断してしまう生き物ですが、会話泥棒さんは露骨にマウントをとってきます。これは優劣をつけることで承認欲求を満そうとしています。

自分より下だと思われる人には、特に会話泥棒する確率が高く、しかも聞いてもないのにアドバイスや説教をしてくる人が多いです。ただし、自分より上だと思っている人には大人しく振る舞います。優劣は社会的立場や年齢などの価値観から判断するため中々覆せないものです。しかし、例え上司だからといって偉いわけではありません。会社内ではあくまでも役割が違うだけです。年齢はただの年齢、両親は保護者、夫はパートナーなど、あなたと会話泥棒さんの間は平等であるということをあなた自身がまず強く認識しておく必要があります。

 

さて、この会話泥棒さんに対して自分の話を聞いてもらう方法は以下の通りです。

イメージ図

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・じっと目を見て微動だにしない

・相槌を打たない

これにより「話は聞いているが、あなたの話には興味がない」という事を非言語で伝えることができます。じっと目を見つめられるのは一種の不安感を生じさせ、相槌を打たないのは共感しないアピールになりますので、承認欲求が強い会話泥棒さんだからこそ効果はばつぐんです。

 

会話泥棒さんの話が止まったり、こちらに話題を振られた場合は、今度はあなたが話す番として言いたい事を言い切りましょう。話始める前に少し間を空けるとさらに効果的です。

もし途中でまた会話泥棒されそうになったら間髪いれずに「私は…」と主語を入れて会話を再開させましょう。

これを何回か繰り返すうちに少しずつ、最後まであなたの話を聞いてくれるようになります。

 

とはいえ、会話泥棒さんは相手の気持ちを理解するのが苦手です。「会話泥棒さんにも(心から)わかってもらえた」という達成感を得るには難しいかもしれません。せめて「私の話を(頭では)理解してくれた」「私の要求を通す事ができた」となれば万々歳でしょう。

 

あなたは優しくて人の気持ちが理解できる上に、とても聞き上手なのでしょう。だから会話泥棒さんもあなたに聞いてもらいたくて話をしてしまいます。あなたもただ聞くだけなら良いのですが、あなたが話を聞いてもらいたい場合に、聞いてもらえずモヤモヤするのは辛いばかりです。

コミュニケーションは相互理解が基本です。あなたが会話泥棒さんの事を理解したなら、今度は会話泥棒さんにあなたの事を理解してもらいましょう。

産業カウンセラーは転職前にとるべきか?

産業保健師への転職の際に、持っていると有利な資格として「産業カウンセラー」がよくあげられます。「そんな資格持ってないけど、どうしよう…」と不安になる人はたくさんいます。さて、この産業カウンセラーは果たして転職する前に取るべき資格なのでしょうか?

答えはノーだと思います。なぜなら産業保健師に内定してからとったほうが有効活用できるからです。

 

そもそも産業カウンセラーとは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーのことです。
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催するもので、産業カウンセラー養成講座では、カウンセラーの基礎スキルである傾聴の技法・態度について実践を通して学びます。

産業カウンセラーのHPはこちらから

https://www.counselor.or.jp

 

養成講座では、とても質の高い内容を学ぶことができて本来ならぜひ取っていただきたいお勧めの資格なのですが、もしあなたが看護師をやりながら産業カウンセラーの資格をとるというのはどうゆうことかを以下にご紹介します。

 

①資格を取るまでが大変

この養成講座のカリキュラムは6ヶ月コースと10ヶ月コースに分かれているのですが、そもそも6ヶ月もかけて学ぶのが大変です。今ではフルオンラインでの受講もあり、自宅でも学習できるのですが、1日かけてみっちり受講するため疲れるのは間違いないです。また講座の途中で課題が出されるのですが、その課題がかなり時間をとられます。

転職活動のかたわらで産業カウンセラーの資格を取ろうと思うと時間的余裕がなくなります。

看護師の仕事をやりながら、転職活動しながら、養成講座を受講しながら、私生活をエンジョイする…

…かなり大変でしょう。一つ一つがハードなので少なくとも私には無理です。まずは、目の前の仕事やあなたの私生活を疎かにしないようにするべきかと思います。

 

②好きなタイミングで受講できない

産業カウンセラーは受講スタート日が決まっており、講座受講日も既に指定されています。受講時間が一定時間以上いかないと、筆記試験資格は得られないので予め予定を空けておく必要があります。また筆記試験日も決まっているため、その日まで試験勉強をしなければなりません。

もしあなたがシフト制の病院で働いているのならシフトを調整してもらう必要があるでしょう。

 

③臨床現場ではあまり役に立たない

養成講座では傾聴スキルを身につけるため、入院患者へ質の高い傾聴支援を提供することができます。しかし産業カウンセラーは傾聴支援だけでなくキャリア形成支援や労働関係法規なども学習するため、産業カウンセラーとしての資格を余す事なく発揮できるわけではありません。

本来は産業保健に活かすためにある資格です。確かに転職前に資格をもっていると転職市場では即戦力として有利になるでしょう。余力があるのなら養成講座を受講するのは良いと思いますが、ちょっと厳しい場合は決して無理はしないほうが良いでしょう。

 

それでも心理系の資格をとって少しでも有利になりたいと思うなら「心理相談員」がお勧めです。

これは中央労働災害防止協会が主催する研修で、職場のメンタルヘルス対策に必要な知識と心身両面に配慮した健康つくりについて学ぶことができます。看護師・保健師免許があれば受講することができ、受講日程も2日間のみなので、産業カウンセラーと比較すると取りやすい資格であると言えます。受講日が決まっていることと、お値段はかかるのがやや欠点ですが、産業保健のメンタルヘルス対策の基本を学ぶには十分な内容だと言えます。

リンクはこちらから↓

https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3100_sp04.html

 

私は産業保健師未経験で資格もたいしてありませんでしたが、企業から内定をもらい、転職してから産業カウンセラーの資格をとりました。私は産業カウンセラー養成講座を受講して本当に本当に良かったです。養成講座は大変でしたが、仲間ができて楽しかったですし、「傾聴とはまさにこのことか‼︎」と心で理解できると共に、傾聴されたことによって人生が変わったといっても過言ではありません。また、養成講座で学んだ翌日に産業保健現場で活かすことができるのはとても効果的な学習方法だったと思います。そのため産業保健師になれた暁には、産業カウンセラー養成講座を受講することをおすすめします。

 

看護師・保健師が取りやすい資格

転職する際、少しでも他のライバルと差をつけたいと思いませんか?資格一覧のところに、「看護師、保健師」だけだと物寂しく感じるあなたに朗報です。10日以内でほぼ確実にとれる資格についてまとめましたので、ご紹介します!

 

①第一衛生管理者

第一衛生管理者は職場環境の安全衛生を管理する人のことであり、50人以上の事業所には1人以上置かなければならないと定められています。本来は試験に合格しなければならないのですが、保健師の免許を有する人は、労基署に行って申請するだけでもらえる資格です。

ただし大企業の場合は既に有資格者が存在し、資格があるからといって特別何かするわけではなく、権威も強くなるわけではないです。とはいえ申請だけでもらえる資格があるなら、もらわないに越したことはありません。また保健師は無受験でもらえるという事は一般人にはあまり知られていません。少し肩書きが増えることで、名刺などを渡す際にあなたの風格がでますので、保健師の資格がある方はぜひ申請してみてください。

第一種衛生管理者資格の詳細はこちらから↓

受験資格(第一種衛生管理者・第二種衛生管理者)

 

②BLS

BLSは日本ACLS協会が主催する講義で、質の高い一次救命法について学びます。

講義内容は心配蘇生法をこれでもかというほど練習します。最後に実技・筆記それぞれのテストを受けて合格すれば、BLSのバッチがもらえます。

BLSは一般人も取れる資格であり、看護師も既に持っている方は少なくないと思います。ただし意外にも一般人からの知名度は低く、ローマ字3文字で言われてもどんな資格かわかりにくいのが難点です。とはいえ、看護師たるもの一次救命法は身につけないと、一般職の方から「え?看護師なのに?」と白い目で見られてしまうでしょう。そのため、一次救命措置ができるという証明をするためにも、持っておくと良いでしょう。

なおACLSの資格も2日でとることができます。複数診療所で医師が常駐している場合は役立つかもしれません。しかし診療所は医療施設が整っておらず、ACLSを使う機会があるくらいなら一刻も早く救急搬送するべきなので、転職のためにわざわざ資格をとる必要はないと思います。

BLSの資格情報はこちらから↓

BLSプロバイダーコース|資格取得なら日本ACLS協会

 

②食生活アドバイザー

これは、健康な食生活について知識を提供するという資格です。ユーキャンなどの資格講座でもとりやすく人気が高い資格です。

勉強内容は、食事に関する内容を広く薄く浅くしたもので、一般常識レベルから看護学生時代に習った栄養学のおさらいといったところです。難易度は決して高くないですし、日常生活でも役に立つので、取っておいて損はないと思います。

資格が「アドバイザー」なので、いかにも食生活に精通している人という印象を与えるのにはピッタリです。しかし深い知識を勉強するわけでもなければ、指導方法などを記載されているわけでもないので、特定保健指導などの実践には不向きかもしれません。

食生活アドバイザーの公式ホームページはこちら↓

【公式ホームページ】食と生活に関する資格なら食生活アドバイザー®|FLAネットワーク協会

 

③禁煙アドバイザー

これは、日本禁煙学会が指定する2時間以上の講義を聞いて、禁煙学会に入会すればもらえる資格です。講義を聞くだけで試験もないので、短時間でもらえるお手軽な資格といえます。また、認定試験に合格すれば認定指導者としてよりランクアップできるので興味がある人は挑戦しても良いでしょう。

講義内容は年々少しずつ異なりますが、喫煙のデメリットや他の病態との関連などです。やや臨床よりな内容でわかりにくい内容もありますが、「とにかくタバコはダメですよ」というのがよくわかります。

禁煙アドバイザーは年会費が5000〜6000円でやや高いのと、時々送られてくる禁煙学会の資料は、J◯に対してかなり厳しい意見が記載されていたり、禁煙とSDGsへのこじつけなど、やや偏った内容が多いです。また、電子タバコの害についてまだ研究成果がでておらず、禁煙補助薬の製造中止に対する打開策がまだ発表されていません。しかし草の根運動で研究活動しているので、一度は講義を聞いてみても良いかもしれません。

禁煙アドバイザーに関する詳細はこちら↓

日本禁煙科学会認定全国禁煙アドバイザー育成講習会(2019年以降)

 

④上級救命指導認定証

これは各都道府県の消防局から発布される認定証で、1日を通して応急処置を実習・試験して合格すればもらえる資格です。

受講内容は心配蘇生、異物除去法、外傷手当等なのですが、ビデオ視聴でサラッとおわったり、心配蘇生は疲れるまでやらされたりします。受講した感想は、看護学生時代にすでに勉強した内容なのと、我々は既に臨床でもっとエグい経験をしているため「え?これで上級?…」というような感じでした。

この上級救命指導認定証あくまで民間人が対応するためのものなので、医療職である我々にとって肩すかし感があるのは否めません。しかし名前はカッコいいので、有していると頼り甲斐がある人として認識してくれるでしょう。

東京都の上級救命講習の詳細はこちら↓(各都道府県でご確認をお願いします)

東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><救命講習のご案内>

 

これらの資格は保健師や病院などの実戦で使えるかと言ったら、正直微妙なところです。小手先でしか勝負してないと思う方もいるでしょう。

しかし、

・有能だけど無資格  

→医学知識たくさん持ってるけど民間人

・無能だけど有資格者

→医師だけど、医学知識ない

この2者がいたら、人は後者を選びます。

資格を持っていると言うのは「勉強している人」「根拠を知っている人」「権威がある人」などと見て取れます。つまり資格とは実戦で使えるかどうかよりも、良い印象を与えるということが、資格を持つ目的なのです。

多忙に働きながらも転職活動をするのは大変でしょうが、これらの資格をプラスするだけで、あなたの言葉に説得力が生まれて有利になるので、ぜひ一度、ホームページをチェックしてみてください。

 

 

産業保健師への道 私の場合編

さて今回は、自己紹介も含めて実際にどういう経緯で産業保健師に転職したのかをご紹介します。

 

〇産業保健師になるまでの経緯

・高校時代はバレー部に入部。休みは年3日しかないハードな部活だったおかげで、根性とマッサージ技術を獲得。高2の冬、進路を決める際に友人から「マッサージ上手いから看護師なれば?」と言われたのをきっかけに、看護師の道を検討。お金を稼げる、資格が取れる、就職に困らない、モテるという不純な理由で看護師の道へすすむ。

看護学生時代に、産業保健師の実習を行った際に強い憧れを持ち産業保健師への道を目指す。産業保健師になるためには臨床経験が必要と考え、一旦病院へ就職することを選択。なお、強い憧れとは「OL風を満喫して大企業のエリートと結婚する」という不純な動機そのもの。

・2015年大学卒業後、都内病院の循環器内科・心臓血管外科病棟に就職。これといった功績はなく、月残業は100時間超えでボロカスと化す。それでも仕事は楽しいと思い、病棟メンバーも好きだったが、やはり憧れの産業保健師を忘れられず、転職することを決意。

・2017年看護師3年目の秋頃に転職活動開始。

・2017年12月〜2018年2月の約4ヶ月間で10社に応募。4社は書類追加したが、一次面接、筆記試験、小論文、SPIなどを実施し全て惨敗。

・3月にとある企業を募集し書類が通ったため面接を実施。面接官との相性が良かったおかげで、年度末最後の転職活動でなんとか内定をGET。

・2018年4月紹介予定派遣として入社し製造工場の1人診療所に勤務。

・2020年に憧れだったエリート(?)と社内結婚

・娘の出産のため、1年半の間産休育休を取得。

・2022年の春に同じ現場に復帰し、現在に至る。

 

ざっとこんな感じです。私は看護師になるのも産業保健師を目指すのも不純な動機でしかありませんが、それでも不純な動機を概ね叶えることができました。

産業保健師を目指すというのは、孤独な闘いでもあります。そもそも目指す人が少なく理解されない上に、何度も落ちるので「自分より優れている人はいくらでもいる」と自信を無くすことも多々ありました。落ち込みすぎて転職を諦めようともしました。

そんな中でも心の支え(?)だったのは看護師の免許があるということでした。看護師免許さえあれば就職に困る事はありません。もし産業保健師に就けなくても、またしばらく病棟や他の現場で経験を積んだらまたチャレンジしようと思って、少し肩荷を下ろしながら転職活動をしていました。

 

私が内定を貰えたのは、特別優れていたわけでもアピールができたからでもありません。

理由は「運が良かった」からです。

運かよ⁉︎とツッコミたくなるかもしれませんが、私の運は、転職エージェントさんに恵まれたということと、募集のタイミング、通える立地、面接官との相性の4つで構成されています。まさに運としか言いようがないのですが、実は転職に成功したのは運だったというのは私だけではないようです。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授は、「プランド・ハップンスタンス理論(計画された偶発性理論)」を発表しました。
これは、キャリアの8割が予期できない偶然に左右されており、未来は予測できないことだらけなので、偶然の出来事を主体的にとらえて行動することがキャリア形成につながるという考えです。

もちろん内定をもらうにあたって、募集要件をクリアしていることやマナーが身についているなどの最低限のスキルは必要です。運をいかに掴み取るかが重要です。

運をつかむ方法は一つです。

それは

行動することです。

行動しなければ運は回ってきません。

産業保健師の転職サイトに登録し、エージェントさんと面談し、職務履歴書を書く。ビジネスマナーを身につけて、紹介された企業を片っ端から受けて散ってを繰り返す。筆記試験、小論文、SPIの対策を行い、面接はとにかく笑顔で話す。

ここまでやったら「人事を尽くして天命を待つ」です。

そこまで努力できれば必ず運が回ってきますし、内定を掴むことができます。

今すぐ行動しましょう。応援しています。

 

産業保健師への道 派遣採用編

産業保健師の募集の中には派遣を募集している企業も多々あります。せっかく転職するなら正社員がいいと思う人は多いです。しかし、派遣にもメリットはたくさんあるので、全く視野に入れないのはもったいありません。今回は産業保健師の派遣採用とはどういう事か、そのメリットやデメリットについてお伝えします。

 

まずは派遣には2種類あります。

派遣:人材派遣会社と雇用契約を結び、他の企業に派遣される社員のことです。仕事内容は特定保健指導のみ、診療補助のみと限定される場合もありますが、産休代替として契約を結んだ際は正社員と変わらない仕事をする場合があります。

紹介予定派遣:派遣先の企業に直接雇用されることを前提に人材派遣会社と雇用契約を結びます。派遣期間中に派遣先の企業に認められれば、直接雇用になります。仕事内容は正社員と殆ど変わりありません。また、採用試験も正社員試験とさほど変わりありません。

 

派遣社員のメリットは以下が挙げられます。

①産業保健師の仕事につきやすい

派遣採用は、正社員採用と比較すると競争率は落ちるので、その分採用される確率はあがります。また未経験者歓迎の募集もあるので、転職の選択肢をぐっと広げることができます。また、派遣として経験を積んだ場合は、次の転職先で未経験者と差をつけることができるため転職が有利になるでしょう。

②経験を積むことができる

派遣採用といえど、派遣先企業の一員として産業保健活動を行っています。そのため企業の雰囲気を知ることができたり、特定保健指導などの経験を積む事ができます。もし保健指導や産業保健活動を失敗しても、この人とは次に会う事はないと割り切れるので、色々挑戦することができます。

③正社員よりも責任が軽い

派遣契約によって業務が決められている場合は重大な判断を担う業務は担当しないことが多いです。また複数診療所で勤務する場合は、正社員保健師がいるため、報・連・相をしっかりしていれば、責任は正社員につくことができます。ただし、インシデントや医療事故等が発生した場合は正社員と同じ対応をしなければならないことがあります。もし派遣先が1人診療所である場合は産業医や派遣先の上司に相談しましょう。

④人脈が広がる

派遣先は大企業やそのファミリー会社であるため、その業界の事について知る事ができます。異職種の存在はあなたに新しい価値観を教えてくれます。また、知り合った社員も一期一会としてその後の交友もあるかもしれません。

⑤正社員よりも給料が高い場合がある

派遣社員は正社員と違いボーナスが支給されないのですが、その分給料が高くされています。私も紹介予定派遣として入社し、半年間契約社員として働いていましたが、手取りは日勤のみ&残業なしで、夜勤やっていた時以上の給料が貰えていました。そのままの給料で正社員ももらえるのかと思っていましたが、正社員になった途端月給が下がってがっかりしたのを覚えています。

ボーナスは企業によって様々です。看護師のボーナスは比較的毎年安定した額でもらうことができますが、大企業でもその年の業績が悪かったら、ボーナスの額はかなり低くなります。もし業務内容が限られた軽い内容で高時給なら、かなりお得と言えるでしょう。

 

一方デメリットとしては以下の内容が挙げられます。

①雇用が不安定

派遣社員は定期的に契約更新する必要があります。その際に企業側の都合が悪くなったり、あなたの業績が著しく低い場合は、契約が打ち切られることがあります。もし産休代替として雇われた場合は、産休中の社員の都合で雇用時期が伸びたり減ったりします。雇用が不安定だと、ローンを組む際に不利になる可能性があります。住宅や車など大きな買い物をする際は注意しましょう。

②雇用に上限がある

派遣社員の雇用は3年と決められています。これは、労働者派遣法の雇用安定措置によって定められており、3年を過ぎると新しく転職、同一の就職先への直接雇用、派遣会社の無期雇用のいずれかを選択しなければなりません。企業によって選択肢は変わるため、再転職の準備をする必要があります。

③正社員との差を感じる

派遣先企業が、派遣のみ雇っている場合は感じることはありませんが、複数診療所で正社員もいる場合は待遇の差を感じてしまうことがあります。例えば、業務内容や雇用の安定さから、ボーナス支給や福利厚生などの金銭に関することなどです。また正社員のお局様がいる場合は、勝手に見下される可能性もあります。もし視線が冷たいと感じても、役割が違えば収入も違うと割り切ることが一番です。

 

 

このように派遣にはメリットとデメリットがあるので、募集要項をよく確認しながら応募してみましょう。

派遣社員は以下の方がおすすめです。

・産業保健師をまずは経験したい方

・軽い業務で高収入をもらいたい方

・いろいろな場所で働いてみたい方

・色んな人との繋がりを持ちたい方

 

私は1年半の間、産休育休のため現場を離れていた時期があります。その間は派遣雇用で産休代替の方が私の現場を担当してくれていました。その方は、私と同じく20代後半で産業保健師未経験での採用でしたがまさに派遣社員としてのメリットを余すことなく活用されていました。

産休代替の方は1年半で企業の人と一緒にバレーをするなどで仲良くなり、1人診療所で一通り産業保健の経験を積み、私が育休から戻るタイミングで別会社の産業保健師として内定を獲得していました。

 

このように派遣として働くのも良いと思えませんか?ぜひ今から派遣社員雇用も視野に入れて、自分の可能性を広げてみてください!

産業保健師への道 面接編

書類選考を見事通過し面接試験へと挑むことができたなら、転職のゴールはすぐそこまで見えています。ただし面接は最重要課題なので、ここでしっかりアピールできるかどうかが運命の分かれ道になります。

面接は一回で終わる場合と日を分けて二回三回と実施する場合があります。それぞれの面接では面接官の見るポイントが違うので、ポイントに沿ってアピールしたほうが、高評価を得られやすくなると思います。

ここでは、面接回数に応じた対策とポイントについてお伝えします。

 

まず面接試験が一回のみの場合、その企業はライバルが少なかったり、あまり産業保健に関して強い力を入れていない可能性があります。ここでは有能かどうかよりも、相性がいいかどうかを重視しているため、あなたらしいところを見せていきましょう。面接官は人事部であることが大半ですが、複数診療所の場合は保健師も面接官として参加している場合があります。その人に「この人とは相性が良さそうだな」と思わせることが大切です。そのため趣味や性格を聞かれたらどんどん出したり、面接官に逆質問する勢いでいきましょう。また健康に関する趣味(散歩、ヨガ、食事、フィットネスなど)を一言付け加えると、より産業保健師として良い印象を与えられると思います。

私の場合はここで、バレー部だったと答えたらたまたま面接官がバレー部だったのと、地元が一緒だったという事で少し距離が近くなった感覚がありました。その後も比較的穏やかに面接を行う事ができて、結果内定をいただく事ができました。

 

面接が二回三回に分けられる場合は、ライバルが多く、特に品行方正が整った人を選びたがります。減点方式で採点するので、最初から良い点をアピールしまくるよりかは、粗相がないようにして、減点されないようにしましょう。具体的には、面接マナーは絶対、一問一答で答える、自分の業績を数字を用いて答える、企業に関する下調べを念入りにする、落ち着いた所作などです。

二回目、三回目の試験は、面接官が部長や役員など、組織のトップ層になるため、ここではあなた自身のメリットを伝えましょう。役員クラスは、この面接試験を通して「給料に見合った働きをするかどうか」「企業にとって良い働きかけをするかどうか」をみています。そのため、あなたが企業に入ったらやりたい事やビジョン、そのための行動計画などを伝えて共感を得ることが大切です。やりたい事などは、企業理念に基づいて伝えると良いと思いますが、例えばメンタルヘルスダイバーシティ、人材育成、働き方改革、などの企業が掲げるキーワードに沿った産業保健のビジョンを掲げると、良い印象になることは間違いありません。

 

面接官の評価方法は人それぞれなので、能力で選ぶ人もいれば顔で選ぶ人もいます。しかし、能力であれ顔であれ、結局は企業との相性が良い人を選ぶことが面接の目的であるため、いかに相性が良いと思われることが大切です。

相性が良いなと思われる方法は一つです。

それは

 

笑顔 です。これが大優勝です。

 

笑顔にはあなたが思っている以上に効力があります。

「笑顔の返報性」という言葉はご存じでしょうか?「笑顔の返報性」とは好意を伝えると相手も好意を保つということです。好意がない人とある人では好意がある人を選びます。面接官がマスク越しに険しい表情をしていたり、鉄仮面で表情が変わらなくても大丈夫です。面接を受ける人させる人皆カチカチの顔の中、1人あなたが笑顔で輝くことができたら大優勝です。

しかしこの笑顔、焦ったり不安になっているとうまく笑えません。余裕のある笑顔は準備しているからこそ出てくるものです。準備はたくさんしておくに越した事がないのですが、あなたは書類選考を通過して、一次面接もしくは二次面接に進むことができたのです。これはしっかり準備できているからこそ選考通過したのではないでしょうか。

それでも不安や緊張は必ずするかと思います。しかしそんな時こそ「自分は大丈夫!できる!やれる!」と思い込んで笑えばいいのです。

 

あなたならできます!応援しています!!